シロアリ薬剤の安全性について、表にしてみました。(2010.10.15更新)

疑問点・テーマ 考察した内容、説明文
安全性を論じている
私は、なにもの?
 私は、シロアリ駆除をする業者です。薬剤を研究・製造するメーカーから、薬剤を購入し使用しています。
何を根拠に、
安全性を論じる?
 毒劇物取扱者資格・危険物取扱者乙種第4類免状、厚生労働大臣登録 防除作業監督者、(社)日本しろあり対策協会認定 しろあり防除施工士、(社)日本ペストコントロール協会認証1級技術者を、勉強した時の知識と、製薬会社からの製品安全データシートです。
製品安全データシート
とは?
今、私が使用している薬剤は、住化エンビロサイエンス株式会社のオブティガードです。木部処理用薬剤の「製品安全データシート」と、土壌処理用薬剤の「製品安全データシート」です。
製品安全データシート
で何がわかるの?
 上記の木部処理薬剤は、経口LD50ラット1,563mg/kgの一般名チアメトキサムが2.0%、経口LD50ラット1,020mg/kgの木材防腐剤のシプロコナゾールが2.0%、防カビ成分チアベンダゾールが4.0%で出来ていて製品としての推定急性経口毒性LD50ラット2,000mg/kgです。これを20倍希釈で使用します。
 次に上記の土壌処理薬剤は、経口LD50ラット1,563mg/kgのチアメトキサムが20.0%、製品として急性経口毒性LD50ラット5,000mg/kgです。そしてこの乳剤は、水で200倍希釈して使用します。
LD50とは?  毒性試験で、実験動物の50%が死亡する薬物の量。
 実験動物ラットが100匹居て、その内の50匹までが死んだ薬物の量です。まだ残り50匹は生きています。
 経口LD50ラット5,000mg/kgとは、もしも実験動物ラットが人間と同じように体重60sあるとすれば、5,000r×60 の計算で300gを口から食べれば、体重60sのラット100匹のうち半分の50匹まで死に、あと半分の50匹は生きているという数値です。
 しかし、個々体の反応、感受性は違うので、とっても安全と思われる架空の薬品が例えばLD50ラット100,000mg/kgの数値としても、一番最初に死ぬ不幸(?)な固体の数値はそれよりも低い数値になります。
身近な食品のLD50 食塩(塩化ナトリウム) 経口LD50ラット3,000mg/kg 
  体重60sの人が一度に180gの食塩を食べると危険です。
重曹(炭酸水素ナトリウム) 経口LD50ラット4,300mg/kg
砂糖(ショ糖) 経口LD50ラット30,000mg/kg
カプサイシン(唐辛子の辛味成分) LD50 60mg/kg
カフェイン(コーヒーの成分) LD50 175mg/kg
ニコチン(タバコの成分) LD50 50mg/kg
アスピリン(解熱鎮痛剤) LD50 1,000mg/kg
毒性とは?  毒性とは、ある物質が生体と接触し、あるいは取り込まれたとき、生体にとって好ましくない反応を生じる事をいい、一般に量によって決まります。そのものに毒性が〈有る〉〈無い〉で論じるのではなく、量を論じる事です。
 私は、毎日コーヒーを2〜3杯飲みますが、砂糖の量を気にすることはあっても、カフェインがLD50 175mg/kgあって体に毒があるなんて気にしたこともありません。
製品安全データシート
でわからないこと
 私が使用している薬剤製品に限らず、他のすべての薬剤製品にあてはまることです。
 製品の中で95%以上の溶剤が、特定されていなくて安全性のデータがありません。「溶剤」だけだと意味する物が広すぎて、有機溶剤から界面活性剤からもろもろありすぎます。
 界面活性剤には、食品に添加されている安全なものから、発ガン性のある有害なものまであります。
 悪く推測すれば、表に安全な成分(たとえば天然成分の△△)を表示しておいて、実は表示しない何かが入っていて殺虫効果を出している事もありえるかも。と、邪推するのは、シロアリ駆除剤は、前提として殺虫剤としての効果(毒性)がなければ、駆除剤として意味がありませんから。安全性を強調する薬剤に、駆除剤としての効果があるのか、5年間もの長期を保証する効果があるのか疑問です。
実際にシロアリ薬剤
による事故事例は?
 国民生活センターの報告では1985年4月から1996年12月まででシロアリ薬剤と特定した事故が91件あります。
 最近の報告では、シロアリ薬剤と特定はなく『シックハウス』の相談件数が2005年に430件、2006年に432件あります。

 有機リン系薬剤クロルピリホスが、2003年に建築基準法の改定で使用禁止になってからの事故事例は、私の知る限りは有りません。

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